2009年1月11日日曜日

年末インド、そして年明けブラジル

 森美術館の企画展『チャロー!インディア』と東京都現代美術館の企画展『ネオ・トロピカリア』とについて少し。両展覧会は「経済成長著しいBRICsの二大新興国、インドとブラジル。二つの大国の現代アートを紹介する展覧会の開催を記念して、森美術館と東京都現代美術館では相互割引を実施いたします。」とのこと(森美術館ウェブサイトより)。今日、『ネオ・トロピカリア』展を観に行って初めて知りました。非常に個人的な感想なのですが、実は年末に『チャロー!インディア』を観に行った時、面白いのかつまらないかよく分からず、それ以前に自分が好きか嫌いかも判断出来なかったことでとても記憶に残っている展覧会でした。そして今日、『ネオ・トロピカリア』を観て「あー!とても素敵な展覧会だったな!」と充実感いっぱいで帰ってきました。短期間にこんな極端な気持ちになる展覧会がこんな連携を取っていることに、不思議な縁を感じました。

 そもそも、展覧会で「好きか嫌いか分からない」と思うことはあまりない体験でしたので、年末年始にこの気持ちを消化したいと思っていましたが、未だ答えが出ないままだったのです。「結局私たち、インドの現代美術に興味がないってこと?」と一緒に観に行った友人と話したのですが、それでは何か言い足りない気がします。なんと言うか、共感ポイントの少ない展覧会だったなあ、というぼんやりもやもやした気分でした。一方『ネオ・トロピカリア』ですが、特に私はブラジルに興味はなかったものの、「この気持ち、分かるよー。」と思える作品が多かったです。例えば、野菜やパンを小さく切って重ねたり、並べたりして写真を撮ったり、アリにキラキラの紙を運ばせた映像作品を作るリヴァーニ・ノイエンシュヴァンダー、町並みの外壁をカラフルな色に塗り分けたルイ・オオタケなど。自分の趣味が合ったか、合わなかったかの差、と言われればそれまでなのかもしれませんが、なんと言っていいのか分からない展覧会と、誰かに話したくてたまらない展覧会の違いをうまく説明できれば、展覧会体験を新たな言葉で語れそうな気がしました。

森美術館『チャロー!インディア』ウェブサイト

東京都現代美術館『ネオ・トロピカリア』ウェブサイト

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