2010年7月18日日曜日

モリムラさん再考

 経理のヲノさんとして知られる音楽家、ヲノサトル氏が「森村泰昌 なにものかへのレクイエム」について書いている、しかも元ネタまで紹介しているブログを発見しました。私も苦笑した、チェ・ゲバラに扮する森村氏の髭が、いかにも付け髭感溢れるところに彼も着目されていて、「お仲間発見!」と思いました。

 実はこの展覧会の随所で、このようなトホホな苦笑をかみ殺せなかったのですが、それは森村さんの関西人魂なのかしら?とずっと考えていました。ヲノ氏はそんな森村作品を「ツッコミ待ち」と称してしかもそれを「愛らしい」と書いています。

 「・・・しかし、やはり大判のゼラチンプリントで、しっかりした「写真作品」という体で展示されている、そこが良いのだな。美術館の静謐な暗闇に、照明当てられて鎮座ましましている「印象」も含めて。そういった「アナログ写真のオーラ」「美術館のオーラ」的なものこそが、このほとんど宴会芸のような世界を「アート」として担保しているという意味では、デュシャン以降のいわゆる現代アートの「アートという"制度"そのものへの問いかけを作品化する」という伝統を、実に行儀良く守っているアーティストではないかと、個人的には思うのだ。」というくだりも、

 あの時の体験を思い出して納得しました。あえてドロドロになりながら、作品を作る(物理的にも精神的な意味も含め)アーティストは、私たちを意外な場所で立ち止まらせ、こうやってしばし考える時間を与えてくれる存在であることを改めて感じました。。

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