2008年11月2日日曜日

視点への刺激



 

 五反田の5TANDA SONICで行われている「プロトタイプ展」を観に行きました。去年に続いて2回目となる若手デザイナーによるプロトタイプ=試作モデルの展覧会です。主催者の芦沢啓治氏(自身も照明器具を出展)は、プロトタイプとは言わず「何か面白いものない?」とデザイナーに声をかけてこの展覧会を作っていったとのこと。私の仕事はデザインとは全く違うジャンルなのですが、発想や物事の捉え方に新たな刺激を受けるこういった展覧会は機会があると観に行きます。この展覧会に出展しているのは、インハウスデザイナーもフリーのデザイナーもいて、70年代から80年代前半生まれと大体私と同じ世代です。

 今回は、純粋に私が好きだと思ったものを紹介します。まずは寺山紀彦氏の「floating flower」という花器。水盤がついており、散った花びらも楽しめるという趣旨です。お花見に行った時、池の上に散る花びらから発想を得たものだそうです。この気持ちに共感できるし、それを形にした白い陶器の慎ましさも気に入りました。

 それから、岡安泉氏の照明器具「float」。天井から吊るされた展示版の形に添って、光が落ちてくる照明器具です。床には展示版のふちと同じ形で細く光が映っています。こっそり展示版を揺らしてみたら、光もついてくる!不思議!展示盤のみに光が照射されるように、光源がレンズで制御されているそうです。とても詩的。

 もうひとつは山中裕一郎氏の「CH-BED-AIR」。これは説明するのがとても難しいオブジェクトです。一見体の形に添ったソファーにも見えるのですが、それにしては質感が固そうです。解説を見ると、スポーツの様々な姿勢を受け止める装置だそうです。実際にどう使うか描かれたスケッチを見てなるほど!と思いました。これはもう、形のシャープさと、スポーツという視点から身体を支える装置を形にしたという切り口にシビレました。
 因に5TANDA SONICはデザイン会社A.C.Oが運営しています。これからも応援していきたいギャラリーです。

5TANDA SONICウェブサイト

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