2014年3月12日水曜日

蔵元めぐっていい本探し

 二月の寒空のもと、中央線上諏訪駅近くの五つの酒蔵で行われた「くらもと古本市」に行ってきました。


 駅から徒歩十分圏内に舞姫、麗人、本金、横笛、真澄というの五つの酒蔵があり、近隣の古書店がそれぞれテーマにそったセレクションの古本を出店しています。お酒や信州に関する本を扱った蔵元や、本以外にもはがきやしおりなどの紙モノ、地元ブランドの服を販売している蔵元もありました。私は参加できませんでしたが、本の修理やアルバムを作るワークショップもあったそうです。


 駅の観光案内所で古本市のリーフレットとマップをもらってぶらぶらしてみると、平日にもかかわらず、家族連れや若いカップルなどがこのイベントを目指してきていました。どの酒蔵も入り口に酒樽を積んであったり杉玉が吊るしてあったり、いい雰囲気でした。もちろん試飲もできて魅力的だったのですが、五つも行ったり来たりしていたら正体をなくしそうだったので、そこは我慢…。


 実は駅前にあったデパートが2011年に閉店していたことを知らなかったので、駅を出たときにずいぶんと風景が寂しくなったと感じました。こういった駅前の空洞化は、大型店舗出店などで全国の地方都市でも少なくないと思います。そういうあたりがいろいろ、複雑な思いでしたが、このイベントが気負いなく地元の産業とつながっていることに好印象を覚えました。小規模であったことも理由かもしれませんが、よくある街全体を盛り上げよう!的な、気合いでとりあえず人がくればいいというスタンスは感じませんでした。リーフレットや蔵元の前に置かれたサインなどのデザインも統一感があり、押し付けがましくないところもよかったです。蔵元の方も作家ものの酒器を置いている店が併設されていたり、昔の雰囲気を残した作りになっていたり時代に合ったテイストを加えているところもありました。


 日本酒と古本という、ターゲットが絞られているイベントのように見えましたが、東京のように大都市でなければ、多くの人に発信できるものを目指すより、ニッチなイベントが複数ある方が長続きするのかもしれないと思いました。


 このくらもと古本市は今回で三回目で、次回は秋だそうです。今回は本にばかり目がいってしまい、肝心の日本酒は買わずに帰ってきてしまいました。次はぜひ試飲もして美味しい日本酒を見つけたいと思います。







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