甲府の最高気温が37.3℃という、今夏最も暑かった先週土曜日、山梨県立文学館で行なわれた「575と言葉」ワークショップに参加しました。
講師の米光一成さんは「『ぷよぷよ』『BAROQUE』『トレジャーハンターG』などを企画制作したゲームデザイナー」、とまとめられたプロフィールをよく見かけますが、私にとっては公開句会、東京マッハの出演やレビュアー、編集ライター養成講座の講師などでの活躍が印象的です。文芸作品からスーパーホテルの温泉の素晴らしさまで、同じテンションで書かれているエキレビ!というレビューサイトが私のお気に入りです。米光さんの書いたものを読むようになって、なんでもかんでも読み散らかしっぱなし、書き散らかしっぱなしだった私は、言葉のあやつり方の面白さに興味を持つようになりました。
そんな米光さんがこの山梨に?!ということで灼熱の甲府にのり込みました。
参加者の対象は中学生以上、となっていたので、ティーンに混ざって大人がしゃしゃり出ていいものか…と思っていましたが、参加者は小学生から高校の文芸部、50代のおじさんも集まってわいわいムードでした。
ワークショップは簡単なカードゲームで、5人ぐらいのグループに分かれて行ないます。キーワードと文字数(3、5、7、字余り)が書かれている小さいカードをめくり、例えば「はねる」で「5」というカードが出たら5文字で「はねる」を表す単語を考えます。みんなが出した答えをくらべて、一番票を集めた人が勝ち。そうきたかー!という単語もあれば、「軽い」で「3」というカードが出て「チャラ男」と書いた人が2人いるという展開もありました。小学生がいるグループから「セカオワ」という声が聞こえて(セカオワ…ってなんだっけ?)と自分の年を改めて実感し、胸キュンな言葉が飛び出る高校生グループに、なんてピュアな…と目が遠くなるなどもあり。ゲームが想定していなかった事態になったときは、なるべく面白くなる方へルールをゆるやかに変える米光さんの場さばき(?)にも同時に注目。
最後は各グループで一番票を集めた人たちによる名人戦です。大喜利スタイルで米光さんが出したお題に答えます。「『ドキドキ』で4!」のお題で一番うけたのは女子高生の「呼び出し」。職員室に呼ばれちゃう高校生あるあるです。最後は「『しあわせ』で5!」。これは妙に重いお題。お子さんの付き添いで来たはずが、自分も参加してしまったという女性の答えは「息してる」。究極、と思ったところに小学生の女の子の「プレゼント」で一同拍手~!深淵からシンプルなしあわせにたどり着いて終了。
私は美術館教育に関わってきたことがあり、ワークショップはいろんなかたちで見たり実践したりしてきました。ベースは教育なので、教室とは違う学びを提供したいという思いや、美術館や博物館に触れる機会を増やしてほしいという期待があります。効用を求めて窮屈になってしまうジレンマも感じてきました。でも、この日のワークショップでは、言葉や俳句という自分の得意分野から遠い場所で、参加者としてぞんぶんに楽しんできました。今日はもう、「楽しかったー!」で締めます。またどこかで、だれかとこのゲームで盛り上がりたいな。
0 件のコメント:
コメントを投稿