2009年8月20日木曜日

ロンドンの夏休み



 夏の休暇、ロンドンへ行ってきました。何も計画せずに取りあえずロンドンへ、と向かった夏休みでしたが、唯一行きたいと思っていたのが、Roundhouseという劇場に設置された、ミュージシャンのデイヴィド・バーンによる"Playing the building"lというインスタレーションでした。鍵盤を叩くと、オルガンの背面から劇場内に張り巡らされたチューブを伝って、金属を叩くようなノッカーの音、フルートのような音、エンジン音のような振動音が奏でられる作品です。無機質ながら不思議な静謐感を残す印象的な作品でした。鍵盤を叩く人、音がなる方向を確かめようとする人、その場に集った人たちの一体感のある空間に圧倒される思いでした。
 
 しかし、私が最も心を奪われたのは、会場を出てすぐに聞こえた様々な音でした。車のエンジン音、クラクションの音、どこかで工事をしている音、Plyaing the building を体験した後、どれもが意味のある音楽のように聞こえたのです。日常に溢れる音さえも、何か特別な響きに聞こえるような体験をさせれくれた、この作品の包容力に感じ入ったひとときでした。