2014年4月29日火曜日

内沼晋太郎さんに会いに行く

 内沼晋太郎さんのトークを聞きに行ってきました。肩書きはブック・コーディネーター/クリエイティブ・ディレクター。本と人をつなぐ、本との出会いの機会を作る、という仕事をしている方です。ビールが飲める本屋さんのプロデュース、読書用品の開発、ファッションブランドとのコラボレーション、そして編集や執筆などなど、様々な角度から本との関わっています。本にまつわる仕事ってこんなにあるということへの驚き、というか仕事がこんなに作れるんだ、というのが今回の肝でした。

 具体的な活動はもとより、その原動力となる本への思いを、柔軟な形で現実化させているところが内沼さんの仕事のポイントです。たくさんの本に囲まれて世界の広さに触れ、一生かかっても読めないだろうと圧倒された、という内沼さんの体験を聞き、この思いが根底にあるから活動がぶれないし自信が持てるのだと思いました。お金にならない活動も趣味ではなく「お金をもらわない仕事」として取り組んでいる、というくだりが心に響きました。趣味だったら自分のためだけにやっていることだけど仕事ととらえれば人が関わってくる、とのこと。このあたりは、仕事のあり方についていろいろ思うこともあったため、「仕事とはこうしなくてはならぬ」という思いから解放される思いがしました。好きなことを仕事にする方法や形はいろいろあるし、可能性は狭めなくてよい、といえれば風通しがよくなります。

 本と関わる仕事がしたいけど経営的には立ち行かない。どうしたらいいか。それなら利益率が上げられるものと一緒に本を売るという方法もある、といったアドバイスも実際的でした。

 内沼さんが自分の仕事について書いた「本の逆襲」という本が去年の秋に刊行されているそうです。読まねば。