2016年11月25日金曜日

RE/COLLECTION

青山のCOMME des GARÇONSで行われたインスタレーション「RE/COLLECTION」。デザイナーの川久保玲が自ら選んだ過去のコレクションから10点程選んだものを白のシーチングで作り直したものを展示・販売しています。全て無地で作られているため造形の完成度がディテールまで際立って見えました。不自然に見えるひだやふくらみも、全体を見ればどこを動かしてもダメになってしまうバランスの妙…。(ちなみに20日までオーダーを受け付けていたそうです。価格は30万円から50万円とのこと)。

COMME des GARÇONSについていつも思うのは、同じ形でも若い人は若いなりに、年を取った人は年を取った人なりに似合うようになっているということです。私は一枚だけ持っている一張羅のキュロットを何年も春夏秋冬着たおしているのですが、この先も着ている自分が想像できます。

来年5月にはメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートの特別展でCOMME des GARÇONS取り上げられるとのこと。日本への巡回も待たれます。

Pierre Huyghe - Part II エスパス・ルイ・ヴィトン

ルイ・ヴィトンの表参道店にあるギャラリー、エスパス・ルイ・ヴィトンで『Pierre Huyghe - Part II』 を見ました。実は閉所や暗所は平気な私でも圧迫感があり心拍数が上がってしまう空間構成だったので、暗さや音に敏感な人は注意した方がいいかもしれません。というわけでじっくりと楽しめませんでした…。

この企画展はルイ・ヴィトンのメセナ活動であるフォンダシオン・ルイ・ヴィトンがキュレーションを行っています。ピエール・ユイグのこの作品もフォンダシオン・ルイ・ヴィトンの所蔵品です。業種は違いますが日本でいうと、サントリー美術館のような位置づけになるのでしょうか?

フォンダシオン・ルイ・ヴィトンの建物はぐにゃっと光る建築が特徴のフランク・ゲーリーが手がけています。ちなみにこれは今年の1月に、ゲーリーのアイデアスケッチや模型を展示した企画展を見に行った時の写真。



















ピエール・ユイグはもう少し体調に余裕があるときに行けばよかったかも…。

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Pierre Huyghe - Part II
表参道エスパス・ルイ・ヴィトン東京
2016年9月30日〜2017年1月9日
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2016年11月5日土曜日

学習まんが第二弾『記号とアブダクション』発売!


学習まんが『アフォーダンス』を読んだみなさん、耕太くんと里音ちゃん、そして博士が帰ってきましたよ!昨年bitechoの記事でも紹介したエクリの学習まんが第二弾、『記号とアブダクション』が発売されました。

記号論を確立した哲学者チャールズ・サンダー・パースがテーマです。

パースは、対象を記号として読み取り解釈し世界との関係を理解するという、記号とアブダクションの理論を構築しました。実感するのがちょっと難しいのですが、理解のきっかけを掴むと私たちを取り巻く世界が急に広がります。

内容についてはこのあたりにして、学習まんがというフォーマットについても詳しく紹介します。

まんがの最後には「おうちの方へ」と大人向けのあとがき風の解説がついています。まんがではパースの論理の全体像を紹介し、「おうちの方へ」ではなぜパースを取り上げたか、その意図や読者に期待することが書かれています。子ども向けの学習まんがの体裁を取っていますが、大人向けの仕掛けがちりばめられているわけです。

アフォーダンス理論と同じくパースのアブダクションは注意深い洞察が必要です。輪郭を捉えるのには時間がかかりますが、まんがであることのメリットは哲学や心理学といった領域の垣根を感じさせない軽やかさにあります。

冊子版はエクリストアから一部800円で購入できます。ウェブ版の公開も予定しているそうですが、個人的にはノスタルジックな二色印刷と紙の質感を楽しむためにも冊子版をおすすめします。

「思想としてのデザインを、デザインされたテキストで届けるメディア」
ÉKRITS / エクリ