2008年3月2日日曜日

大人たち、集合!

 今見てみたい舞台のひとつに、”Weimar New York”があります。ニューヨークで定期的に行われている舞台で、1920年代ベルリンの音楽や美学を現代に蘇らせた「演劇的キャバレー」と呼ばれているものです。映画『ショートバス』でクラブのグラマラスな女主人(男性ですが)を演じた、ジャスティン・ボンドを始めとするパフォーマーたちが出演しています。随分とダークでアンダーグラウンドで大人向けの香りがする舞台なのですが、先月行われたショウの舞台はサンフランシスコ現代美術館でした。

 公共性の高い美術館で行うには少しばかり刺激的すぎるような印象がありましたが、どのような経緯で実現したのでしょうか。美術館ウェブサイトを見るとこのイベントは、展覧会、コレクション、教育プログラムに並ぶ公共プログラムのひとつとして位置づけられていました。日本でも最近、国立の博物館、美術館の独立行政法人化によって施設を商業的な目的で貸し出すケースも見られますが、”Weimar New York”は美術館活動の一環として行われたようです。SFGateというサンフランシスコの新聞サイトによると、このアイデアは美術館公共プログラムの新しいコーディネーターによるもので、学芸員の一人がプロデューサーをつとめたそうです。バレンタインデーには学芸員とパフォーマーによる無料のトークショウも行われたとのこと。

 大人が楽しめるこういったイベントが、美術館を舞台として行われたというのがとても素敵だと思いました。日本でも海外でも、様々な美術館や博物館が来館者の興味や学習意欲を高めるため、教育・公共プログラム作りに試行錯誤しています。子供向け、親子向けのプログラムはよく目にするのですが、大人にアピールするプログラムがもっと増えればと良いのに、と常々思っていました。学びとか、知的好奇心を高める先に、もしかしてもしかして素敵な異性との出会いもちらりと期待できるかもしれないですし。そうなったら博物館や美術館は、もっと大人が行きたくなる場所になるはず。(少なくとも私はそう!)

”Weimar New York”の映像をご覧になりたい方はこちら

SF GATE DATA LINES ウェブサイト

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