2008年2月3日日曜日

18歳以下はご遠慮ください

 アマゾンから"Seduced: art and sex from antiquity and now"という本が届きました。ロンドンのバービカンアートギャラリーで1/27まで開催していた展覧会カタログです。本当は見に行きたかったのだけど、思い立って行ける距離ではないので、カタログを購入した次第です。

 この展覧会は、タイトルからも伺えるように美術における性描写をテーマにしています。扱う内容上、18歳以下は入場できないということで、イギリスメディアのサイトで話題になっていました。カタログをめくりますと、作品はエトルリアの陶器から、日本の春画、現代作家の写真・映像まで、多岐に渡っています。平和な風景画ばかり描いた画家だと思っていたターナーが、エロティックなスケッチを残しているというのも、なかなかに驚きです。BBCの番組の一部が展覧会のサイトから見られるのですが、そこではキュレーターが「ポルノグラフィは単に刺激を与えるものですが、美術作品は人間同士の関係性を表すもっと複雑なもの。」というようなことを語っていました。

 さてこの本が届いた時、ちょうどイギリスの友人とSkypeでお喋りしていたので、早速聞いてみました。
「この展覧会、見に行った?」
「行ったよー。内容もだけど、展覧会を見にきてる人の反応がすごく面白かった。みんなすごく神妙な顔で見てるし、自分の感情を隠そうとしているようにも見えた。あからさまに嫌そうな顔をして映像作品のコーナーを途中で出て行く人もいたけど。」
とのことでした。うかつに感想を言ったら、他人から見られている自分が気になってしまいそう。何だか緊張感のある展覧会です。挑戦的な内容もさることながら、来館者の態度や行動をも揺さぶるテーマであるという意味からも、興味深いと思います。 

 うーん、カタログだけではやっぱり物足りないです。日本にも巡回しないかしら?


バービカンアートギャラリー "Seduced: art and sex from antiquity and now"

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