2008年2月1日金曜日

先生、どうします? 

 イギリスでPhDを取って日本に帰国した、大学院時代の友人と会いました。お土産に展覧会のパンフレットや絵はがきを頂きました!

 その中でも気になったものは、ロンドンのThe Photographer's Galleryで開催されていた『INSOMNIA』(~1/27)という展覧会のはがきです。セピアのふんわりした色調の写真ですが、セクシュアルな雰囲気が漂っています。裸の身体の一部を手で隠しているポーズや、ぶれた顔が、性別をあえて曖昧にしているようにも感じました。

 これはちょっと子供向けではなさそうだなー、と思ってウェブサイトを見てみると、学校のための観覧用ワークシートがダウンロードできるではないですか。これっていいのかしらん、と思ってよく読んでみると「性的な表現が含まれるので、16歳以下の生徒を引率する予定の先生は、事前に展覧会を見ておくことをお勧めします。」という注意が書かれていました。ここはどうやら先生にゆだねられているようです。

 大人向けといって闇雲に生徒から遠ざけるのではなく、先生の判断で決められる、という対応はとても良いと思いました。確かにこういった内容を学校の教育に取り入れるのは、なかなか難しいことかもしれません。だけど、美術表現から性の多様性とか、自分と他者との関係について考えるきっかけが生まれることもあると、私は思います。美術館や博物館を生かした教育の良さって、そういうところにあるのではないでしょうか?

The Photographer's Gallery "INSOMNIA" 

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